朝市を開いた植村土佐守泰忠
天正18年(1590年)夏、豊臣秀吉は小田原の北条氏を倒して全国を統一し、関東八国を徳川家康に与えました。家康は早々に江戸に入り、新領地を経営する為家臣団に領地を分け与えました。勝浦城攻めで軍功のあった植村泰忠は、三千石を領して勝浦に入封しました。以後、六代恒朝(守恒)が改易となるまでは、勝浦は植村氏代々の所領でした。

慶長八年(1603年)勝浦領主植村土佐守泰忠は、農業の振興を図ると共に新しい漁法をこの地に伝え、農産物と漁獲物を交換するため市場を開設。この市は六斎市と呼ばれ、月に六日間開かれました。この日には、他地区での物資売買が禁止され、物資の流通を一本化すると共に、この市を保護し発展させました。これが勝浦名物の一つ、朝市の始まりと言われ約四百年の伝統を今に伝えています。

名物の朝市は、水曜日を除いて早朝から11時半頃まで市役所近くの通称「朝市通り」で開かれます。新鮮な野菜・果物・魚貝類・花・日用品まで揃っていて、市民はもちろん観光客にも喜ばれています。